「下肢静脈瘤」の治療には現在、弾力性ストッキングを使用する保存的療法や、硬化療法といった方法がありますが、入院が必要・再発率が高いなどの問題があります。そんな中で、当院では「患者さんにとって質の高い治療とは何か?」を考えた結果、最先端の血管内治療-「レーザーストリッピング」に、いち早く取り組んでいます。医療用レーザーを用いたこの治療法は、2004年10月にアメリカの「厚生省 食品医薬安全局」に認可され、日本でも高度先進医療として認可されましたが、国内の医療機関でこの治療を提供しているところは数えるほどしかありません。従来の治療と比較して、傷口が目立たず、痛みも少ないことから、「下肢静脈瘤」に悩む患者さまの負担を、大幅に軽減が期待できるこの治療法を、当院では受けていただくことができます。
入院 |
痛み |
効果 |
日常生活への復帰 |
|
ストッキング |
× |
× |
△ |
◎ |
【日帰り手術】 硬化療法 |
× |
× |
△ |
○ |
【手術】 ストリッピング |
○ |
○ |
◎ |
× |
【日帰り手術】 レーザー |
× |
× |
◎ |
◎ |
生活習慣の改善&弾力性ストッキング
手術や投薬をしない治療法です。長時間の立ち仕事を避ける、寝ているときに足を高くするなどの生活習慣の改善と、医療用の弾力性ストッキングを着用し脚全体を圧迫、血流を改善する方法です。あくまで症状を改善するだけで、静脈瘤が治るわけではありません。
硬化剤を使用、外来で治療できる
硬化療法は細い針で静脈瘤に硬化剤を注入し、静脈瘤を固めてしまう方法です。外来で行うことができ、1回15分程度で終了します。軽症の静脈瘤や手術療法の後に残った静脈瘤に適しています。最近では「フォーム硬化療法」という新しい方法が開発され、色素沈着などの合併症が少なくなりました。
高位結紮術(こういけっさつじゅつ) ストリッピング手術
高位結紮術は足のつけねで静脈をしばって切り離す手術です。日帰りが可能ですが、再発が多く最近ではあまり行われなくなりました。ストリッピング手術はワイヤを使って静脈を引き抜く手術で、静脈瘤の最も基本的な治療法です。術後の痛みがあり、通常は1週間前後の入院が必要となります。
レーザー治療(レーザーストリッピング)
細いレーザーファイバーを血管の中に入れ、内側から血管をレーザーの熱で閉塞させてしまう血管内治療です。ストリッピング手術と違い、痛みや傷もなく短時間で静脈瘤の治療が可能です。従来は半導体レーザーが使われていましたが、最新のパルスヤグレーザーが開発され格段に治療成績が向上しました。
いままでの日帰り治療は、日帰りといっても朝から晩までの一日がかりでしたが、「レーザーストリッピング」の場合、治療時間はおよそ30分ほど。治療開始から帰宅までを考えても2~3時間しかかかりません。
「レーザーストリッピング」は治療後の痛みはほとんどなく、入院の必要がありません。たとえ忙しい方でも、治療後に全く仕事を休む必要はありません。また、入院しないため経済的な負担も少なく済みます。
当院が「レーザーストリッピング」のために導入したレーザーは、体にやさしい特殊な波長を持っているため安全で、従来型のレーザー治療で問題となっていた太ももの皮下出血や痛みが非常に少なくなっています。
従来型のレーザーは1000度にも達する高熱を発し、血管に穴があいたり血管の周囲が炎症を起こし、痛みのために日常生活に戻るのが遅れることがあり、問題となっていました。最新のヤグレーザーによる「レーザーストリッピング」では治療後は自分の足で歩いて自宅に帰れます。
Anser: 安全な治療です。最近では手術方法も幅広く選択できるようになってきており、日帰りで治療を提供する医療機関が増えてきています。
症状に応じた適切な局所麻酔で、術後の痛みも少なくスムーズに日常生活に復帰できます。
Anser: 残念ながらレーザー治療を含む「下肢静脈瘤」の血管内治療は現時点(2009年12月)では健康保険で認められておらず、自費診療となってしまいます。もちろん、保険外診療を希望されない患者さんには、健康保険で認められている範囲内で最善の治療をお約束します。
Anser: レーザーのファイバーをどこからか血管の中に入れるため、全く傷跡が残らないということはありません。色々な治療方法がありますが、傷の大きさは最小のもので数ミリで、ほとんど目立ちません。最も大きいものでは3cm程度になりますが、この方法は、切る場所が足のつけねのシワの部分ですのでほとんど傷は見えません。